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Shielaにインタビュー、“愛の連鎖が続く”ドリームキャッチャー作りを目指して

<基本情報>
氏名:Shiela
活動拠点:逗子/南房総
職業/活動:ドリームキャッチャーを中心にした「ルナ プリエ(lunaplie)」創設、自然栽培農家「スリーゼロファームリゾート(3 ZERO FARM RESORT)」を家族経営                                  インスタグラム:@shiela_lunapile                                        HP:https://www.lunaplie.shop/                                     

■More about Shiela

トレーサビリティを明確にしたドリームキャッチャーを中心に、自然環境や動物たちに配慮したライフスタイルアイテムを提案するブランド「ルナ プリエ」をスタート。フランス語で<月><祈り>を意味するブランド名には、太古から月と関係の深い女性たちが、いかなる感情も否定せず、心身ともにリラックスしたひと時を過ごして欲しいという想いが込められている。2020年には、日本テレビ「嵐にしやがれ」にて、ドリームキャッチャー講師として出演。また同年より、マクラメ編みブランド「クァグレ(QuaGr’e)」とコラボレーションしたブランド「スィクル(SIK{Ǝ}L)」も立ち上げている。

・子供の頃の夢を教えてください。 

昔から音楽が大好きだったので、きっと心のどこかで<音楽の道>に進みたかったのだと思います。当時は、全然好きではなかった勉強の代わりに、ずっと音楽に夢中で。それは今も変わらず、現在の仕事の時間においても、やっぱり音楽は私にとって大切な要素ですね。

・現在の仕事/活動を始めたきっかけは? 

私はエステサロンをはじめ、今まで色んな仕事をやってきたのですが、心の中でずっと“何かが違う、何かが違う”という違和感を感じていたんです。そんなある時、一度思い切って全てやめてみようって決意した瞬間があって。自分の本当のハートと向き合うために、音楽をかけながら瞑想をしていたら、偶然ネイティブアメリカンの太鼓が鳴り響く心地の良い音楽が流れてきたんですよ。それにビビっと来た私は、“そうだ、セドナに行こう!”って直感的に感じて。そこから導かれるように本場・セドナの土地でドリームキャッチャーと出会うことになったのです。

けれど実際本格的にドリームキャッチャーを作り始めてみたところ、好奇心から素材についてリサーチをする中で、私が想像もしていなかった残酷な現実を知ることにもなりました。それは、ドリームキャッチャーに使用されている羽根は、食肉の副産物ではなく、生きた鳥たちを捕獲して無理矢理むしりとられているモノであるということ。そしてその多くの鳥たちが、その為だけに犠牲となって、息絶えているということです。

これは羽根を使用したアクセサリーや装飾全般で行われているそうなのですが、そんな残酷な方法で羽根を採取しているという現状を知った以上、私はその羽根でドリームキャッチャーを作りたくなかった。だって、ドリームキャッチャーって本来誰かの幸せを願うものなのに、全然“ハッピーじゃない羽根”を使用して、人間が勝手に良いように解釈しているって、すごく矛盾しているじゃないですか。

けれど、かつてのネイティブアメリカンたちのように、食物としていただいた後の鳥の羽を使用する手法は、自分一人の力では現実的に難しい。ではどうしたら良いのでろう?と考えた末、養鶏場で“自然と落ちている羽根”をリサイクルして使用するアイディアを思いついたのです。

そこから私の考えに、すごく賛同してくださった生産者の方と幸運にも繋がることができて。現在ではそちらで落ちた羽根を綺麗に加工した上で、ドリームキャッチャーに命を吹き込んでいます。

この仕事を通して、この地球にもたらしたいことは?

本当は、先ほどお伝えした残酷な羽根な市場が根絶できればと願っていますが、やはりそれを実現するのは、国を動かすほど物凄く大変なことで。今の私の立場で出来ることは、この活動を通して、生産背景の裏側を知る“きっかけ”を作ることができればと思っています。

“カワイイ”という見た目に惑わされて、ものを購入してしまうことが殆どな時代だからこそ、一歩立ち止まって考えることってすごく大切なこと。トレーサビリティという仕組みをもっと世の中に広めることで、動物と人間が仲良く共存できる“誰も苦しまない世界”に近づけたら嬉しいですね。

■仕事を通して最も嬉しい瞬間は?

ドリームキャッチャーは、インテリアとして楽しめるのはもちろん、“魔除け”のお守りとも言われているので、オーダーしてくださる方の<ストーリー>に触れた時、いつも以上に私のドリームキャッチャーを選んでくださったことを、心から嬉しく思います。

それは例えば、「入院しているお母さんのために」だとか、「お兄ちゃんが新車を買ったから、お守り代わりに」など、“誰かを想った”愛の溢れるオーダー。実際にドリームキャッチャーをお送りした後、そういった方たちの幸せな後日談を聞けると、心から作ってよかったなと思いますし、そういった“人と人を繋ぐ”愛と愛の連鎖は、私の原動力にもなっています。

それからドリームキャッチャーって、実は“よく眠れる”効果を持つとも言われているので、今後千羽鶴の代わりになるお守りギフトとして、もっと広まったら嬉しいですね。特に小児病棟にいる子供たちは、きっと不安でいっぱいなはずだから、ドリームキャッチャーの力で、少しでも癒すことができたら。ドリームキャッチャーなら、退院した後でも、思い出として部屋に飾られるのも素敵でしょ?

インスピレーションは普段どのように得ていますか。

天候や気分も関わっていると思いますが、一番深く影響しているのはやはり音楽。特に、ネイティブアメリカンの太鼓の音楽が“トントン”と聞こえてくると、瞑想状態というか、もはやゼロになる。私実はドリームキャッチャーを作る際に、設計図なしで作っているのですが、そういった無の状態にいると、あっという間に出来上がってしまうんですよね。

■人生の中でお金とはどんな価値を持ちますか。

<体験>を買うためのツール。お金を得ることで、自分の行きたい土地に行って新しいことを学ぶことができる。未知に触れる手段を与えてくれるモノですね。

サステナブルの定義を教えてください。

ただのエコというジャンルではなくて、地球や動物に<愛>を持って選択を続けること。目指すべきは、動物との共存だと感じています。地球は、決して人間だけのものじゃない。全てにおいて独り占めしようせず、他者とシェアすることも、サステナブルな生き方に繋がるのかもしれません。

■これからの地球にもっと必要だと思うことは何ですか。

サステナブルな話にも通じますが、人間だけでなく、動物や植物に対して、<思いやりの心>を持って接すること。そして、今地球で起きていることに対して疑問に感じたら自分で調べて、そこから少しずつアクションを重ねていくことも必要だと思います。

後者に関してもっと掘り下げると、今起きている環境破壊って、私たちが築き上げてきた資本主義の産物でもあるから、これまでの概念や意識を一人一人が少しずつ変えることができたら、もっともっと未来に希望は見えてくると思うのです。そのためには、まずは<知ること>ってすごく大切。ときに無知であることは、すごく残酷だから。それは今の子供達よりもずっと、大人たちが関心を持つ事柄であるとも思うのです。

<We want to know more about you …!>

■ご自身の一番好きなところを教えてください。

人間の数だけある、様々な意見に対して、否定せずに受け入れられるところ。それは身内に対しても徹底していて、例えば子育て中も自分が親だからといって、先輩ヅラしない。個の意見として、子供の発言も耳を傾けて、じっくり話を聞く姿勢を意識しています。

■ご自身のために大切にしている習慣は?

気分が乗らない時には、何もしない!納期があってもやらない(笑)徹底しています。

失敗から学んだ一番の教訓はなんですか。

仮に他の人から見たら<失敗>だったとしても、私は失敗って思ってないのかもしれない。全部経験。話のネタにできたら満足です(笑)

スィクル(SIK{Ǝ}L)のドリームキャッチャー

■質問が地球で過ごす時間が残り1年だとしたら何をしたいですか?

私は1年しかないと言われたら、地球という“遊園地”で存分に遊びたいですね。それは例えば、行ったことない場所に足を運んだり、お会いしてみたかった方達に会ってみたりといった、未知の体験を重ねること。やはり私は<楽しい>て言葉が、すごく好きだから。今やっていることも楽しい!という心が動かされるままに、活動を続けています。

次世代の子どもたちに伝えたいメッセージを教えてください。

人に惑わされず、自分の意見をしっかりと持って生きて欲しいな。もちろん他者への思いやりや愛も大切だけれど、そこにある種の気遣いや配慮が混在してしまうと、周りを気にし過ぎて自分がなくなってしまうから。バランスを保ちながら、しっかりと自分の道を自分の目で見定めて欲しい。

これは私の息子に対しても言えることで、進路に対しても、周りと一緒だったり、決められたレールの上を歩く必要はないよって。途中で何か違うと感じたなら、いつでも引き戻ることもできるし、道を変えることだってできる。自分の直感を、その瞬間その瞬間に大切にしながら生きてくれたら嬉しいです。